Presents by 自由の教室
strange food shortshort awards
2021
2020年度、千葉県いすみ市立岬中学校で行われた特別授業「自由の教室」のなかで、思考力と想像力を磨き上げた1年生101人が、「不思議な食べ物」というお題で、ショートショートを書きました。※ショートショートとは、短くて不思議な小説のこと。
期待を軽く超える面白い作品がたくさん生まれたため、できるだけたくさんの人に読んでもらいたいと思い、このたびショートショートコンテストを開催し、優れた作品を表彰することにしました。
ぜひどなたさまも気に入った作品に投票いただき、コンテストに加わってもらえたら幸いです。
〈コンテスト結果発表〉
たくさんのご投票ありがとうございました!
雨雲スープ
― グランプリ大賞 ―
Strangefood
Short-short
Awards
長谷川 凌太
「注文の多い料理店」のような展開と「雨雲のスープ」という名前がいいですね。単純に雨が降ってくるのかなと思いましたが、笑 やさしい味、どんな味なんだろう。
近藤 ヒデノリ さん
宮沢賢治的な自然の恵みをいただく的な世界観が短いストーリーに凝縮して感じられました。こちらも“雨のようなおだやかな”気持ちを味わえるスープ。男の子と女の子でちょっと表現の仕方が変わるのも面白いなと思いました。
長竹 俊治 さん
― 準グランプリ賞―
花火飴
Strangefood
Short-short
Awards
吉田 美咲
きれいな世界観。飴の味を心境と関連付けているのがいい。はじめの1つは普段の中学生らしい甘酸っぱさと表現してそれが普通の味だというのは当事者ならでは。40目前の僕からするとそれは10代の限られたときにしか味わえない味だと気づく。
両見 英世 さん
花のスープ
M.H.
いろんな花の粉末が色鮮やかに並んでいる。そんなお店が実際にあったら、とても素敵だろうなぁ!と映像が浮かんでくるようでした。それぞれのスープは、花言葉の味がして、その感情になれるという設定も見事。実際に商品にできそうだなと思いました。
佐野 彰彦 さん
― 審査員特別賞―
Strangefood
Short-short
Awards
うまソウドレッシング
原澤 快稔
長竹 俊治 さん
食糧難の未来の解決策、うまそうドレッシング。発想がユニークで、消しゴムからコンクリートまでなんでも食べちゃう中盤のくだりはギャグ系の面白さを醸し出しつつ、ちょっと怖いラスト。フードロスが懸念される飽食の時代を暗に批判するメッセージなのかなと思ってしまいました。
〈特別審査員によるコンテスト総評〉
イラストとタイトルで想像力がかき立てられる構造が楽しかったです。短い文字数の中でも壮大な物語が描けるのだと感銘を受けました。
清水 淳子 さん
橋本 安奈 さん
キラキラと光る玉稿の数々、とても楽しく拝読しました。 淡々と進んでいく物語のなかには、「えっ!」と思わせるような展開や、不可思議なことが不可思議のまま終わっていくポワンとした読後感があり、15作品の不思議な世界にみるみる取り憑かれていきました。
私は一度だけ、岬中学校で「自由の教室」を見学させていただいたことがありますが、授業で投げかけられた本質をついた哲学的な問いに、生徒が友だちと対話しながら、真っ白な紙を前にやわらかな頭をフル回転させている様子が思い出されます。この文章を練ったときも、きっとあの光景が広がっていたのでしょうね。
堀口 正裕 さん
いち読者として想像力をかき立てる作品ばかりで読み応えがあり、終始ワクワクしながら拝読しました。直ちに続きを読みたい作品もあり、選考は難航、断腸の思いで絞らせて頂きました。
これから進学したり社会人になったときに、一番大切なことは「ワクワク」することを「ワクワク」する人たちとやっていくことだと思いますが、ショートショートの作品作りを通して感じた”ワクワク感”を大切にして、勉強でも部活でも遊びでも、いつもワクワク感を創れる自分を目指して欲しいと思います。
長竹 俊治 さん
素敵な作品をありがとうございます。とても楽しませていただきました。抱える友達の悩み、オレオレ詐欺…などなど、書き手各々の今の関心事がちらり垣間見られる箇所もあり面白かったです。今回は“不思議な食べ物”でしたが、世の中の旬のキーワードをテーマにしても面白いかと思いました。若い世代の方が時代をどう感じているかが鮮明に表現されるのでは…なんて次回の開催に期待しております。
佐野 彰彦 さん
「きっとこんな味がするのかな」「恐いけどちょっと食べてみたいな」など、様々な想像を心のなかで巡らせながら、楽しく読ませていただきました。
今の世の中は「モノに溢れている」と言われるけれど、いま私たちが当たり前に、食べたり飲んだりしているモノも、かつてみなさんの作品で描かれているような「今はないけれど、誰かの想像」から生まれたのかもしれません。全作品の豊かな創造性に拍手をお送りします!
全体として短い文のなかに多様な面白い発想があって、読んでいてワクワクしました。いくつかはさらに広げて物語にしたらもっと面白そうだと思いました!
近藤 ヒデノリ さん
紹介した人たちから「すごいいい企画ですね!」という声がとても多かったです。答えがいくつもある学びはすごく好きなのでぜひ続けていただけたらと!商品化もとても気になります!
両見 英世 さん
不思議な食べ物の先行予約もあります!
※最新情報は、FacebookやInstagramからもご覧いただけます。
〈ノミネート作品〉
最終選考に残った15作品です。物語もイラストも生徒の創作です。
「+」をクリックすると作品が読めます。ぜひ気に入った作品に投票してください!
不思議な食べ物の先行予約もあります!
〈特別審査員〉
近藤 ヒデノリ
University of Creativityサステナビリティフィールドディレクター
クリエイティブプロデューサー
株式会社博報堂 ブランドイノベーションデザイン局
地域共生の家「KYODO HOUSE」主宰
CMプランナーを経てNYU/ICP修士課程で写真と現代美術を学び、9.11を機に復職。近年は「サステナブルクリエイティビティー」を軸に企業や団体、自治体のブランディングやメディア開発、場づくりに携わる他、2020年から創造性の研究機関、UNIVERSITY of CREATIVITYで持続可能な社会のための越領域の創造性研究・社会実装を行っている。編共著に『INNOVATION DESIGN』、『都会からはじまる新しい生き方のデザイン』等。2019年よりグッドデザイン賞審査員。
佐野 彰彦
デザイナー/事業家
株式会社それからデザイン代表取締役
株式会社smallweb代表取締役
「ビジネスとデザインの統合」をテーマに活動。モノの見せ方や伝え方だけを担当するデザイナーの関わり方について疑問を感じ、商品のブランド開発段階から参加する仕事に注力するようになる。自らも事業家として、ITサービス「とりあえずHP」、コワーキングスペース「TURN harajuku」をプロデュース。事業開発・ブランディング・デザインワークまでを行っている。
清水 淳子
デザインリサーチャー/グラフィックレコーダー
1986生まれ。2009年 多摩美術大学情報デザイン学科卒業後 デザイナーに。2013年Tokyo Graphic Recorderとして活動開始。2019年、東京藝術大学デザイン科修士課程修了。現在、多摩美術大学情報デザイン学科専任講師として、多様な人々が集まる場で既存の境界線を再定義できる状態 “Reborder”を研究中。著書に『Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書』がある。
長竹 俊治
雑誌『小学一年生』編集長
1994年、小学館入社。女性ファッション誌や児童学習雑誌の編集に携わり、2018年より雑誌『小学一年生』編集部にて編集長を務める。『小学一年生』公式ページ https://sho.jp/sho1/
橋本 安奈
編集者/ライター
新潟市在住。紙媒体の「ソトコト」と「TRANSIT」の編集部を経て、2020年秋に独立。海外文化、環境、まちづくり、食、デザインなどを中心に編集・執筆を行う。バルト三国のひとつ、エストニアのデザインプロジェクトなどにも関わる。
堀口 正裕
TURNSプロデューサー
株式会社会社第一プログレス代表取締役社長
TOKYO FM「SkyrocketCompany スカロケ移住推進部」 「デュアルでルルル♪」ゲストコメンテーター
国土交通省、農林水産省等での地方創生に関連する各委員を務める他、地域活性事例に関する講演、テレビ・ラジオ出演多数、全国各自治体の移住施策に関わる。東日本大震災後、豊かな生き方の選択肢を多くの若者に知って欲しいとの思いから、2012年6月「TURNS」を企画、創刊。地方の魅力は勿論、地方で働く、暮らす、関わり続ける為のヒントを発信している。
両見 英世
四街道こども記者クラブ代表
1982年、四街道市生まれ。2011年に企画した先人たちの知恵を学ぶ会「かたりべ四街道」をきっかけに地域の情報編集に携わる。主な活動に、小中学生と一緒に四街道市内の人物や出来事を取材して発信する「四街道こども記者クラブ」や子育て目線で編集した冊子「よつかいどうおひさんぽマップ」の制作がある。2013年より「ドラマチック四街道プロジェクト」の企画・制作を行う。
千葉県いすみ市で毎年行われる大原はだか祭りをモチーフにして、プロジェクトで開発。「ほらやっさ」は神輿を担ぐ際のかけ声。地元商店の協力も得て、1年以上の試作を繰り返して完成した。顧客満足度は94%を超え、「房総すごいブランド」第1弾として2019年夏に販売開始。地域のお土産としても認知され、初年度に2500食を売り上げた。カレーの販売収益はすべて特別授業の運営に充てられている。
2. ブックステーション
中学1年生が授業のなかで考えた、駅の待ち時間を楽しくする本棚。JR太東駅とJR長者町駅に2021/3/18(木)から設置中。
大切に読んでほしいという思いから、生徒自身の思い入れのある本を推薦文(ポップ)とともに新刊で置き、毎月2冊を入れ替え。また、読んだ人に感想やメッセージを入れてもらうためのボックスも、アイデアを出した生徒5人がのこぎりを使って木材を切って組み立て、ペンキも塗って制作した。
最新情報は、FacebookやInstagramからもご覧いただけます。
開始日:2021年4月10日(土) 締切日:2021年4月30日(金)
「自由の教室」および「房総すごい人図鑑」は、生徒の多様な視点と思考を育む知的冒険授業です。
また、柔軟な思考を育んだ生徒のアイデアを形にすることで、地域をより愉快で楽しい場所にしていくことを目指しています。
当授業は2017年度にスタートし、公立中学高校で実施。これまでの実施校は、千葉県立大原高校、千葉県いすみ市立岬中学校、国吉中学校、睦沢町立睦沢中学校で、のべ生徒は500人以上(2021年3月現在)。2018、2019年度には千葉県いすみ市の事業に採択。
千葉県教育委員会主催の、令和元年度『学びの「総合力・体験力」コンテスト』では優秀賞を受賞(※受賞は県内の中学校で2校のみ)。
ほか、地域資源を活用した商品開発にも取り組み、売上はすべて授業の継続のために充てています。ショートショート「不思議な食べ物」は、生徒のアイデアを商品化するためのワークの一環で、架空のストーリーを生み出してもらったものです。(※今後、商品化の予定)
http://boso-sugoihito.net/concept
1. ほらやっさカレー